ご自身で商売されている方であれば、
一度や二度は経験があるのではないでしょうか。
友人から値切られたという話。

または、値切られるまでなくても、予算感に大きなギャップがあったり、
「お仕事をお願いしたい」と言われたので張り切って見積や仕様書を作ったら
ただの社交辞令だった…というエピソードなんかも、あるあるかもしれませんね。

わたしはそれを想定して
友人には自営業をしていることはあまり言いませんが
それでも冷やかしの依頼や値引きを期待されることは時々あります。

友人から「売り込まれた」も然り

または逆の立場で、
起業したばかりの友人から商品やセミナーをすすめられたり、
事業の話を延々とされたりした方もいるかもしれません。

これはこれで、ただの「売り込み」ですし、
売られたほうは、(その商品が欲しくなければ)まるで金づるにされたようで
ちょっと嫌な気持ちになるかもしれません。

いらないものを売り込むのは失礼

まぁ別に、倫理的にダメとかではないものの
その相手があなたの商材を買うことで解決できそうな悩みを抱えているとか
サンプルとしてあげるならまだしも
自分の都合で作りたくて作ったものを、一方的に友人に売り込むのもまた、
ちょっと失礼ですよねぇ。

そもそも友達は「お客さん」じゃないよ!

なにが悪いかというと
「身近にいるから」という理由だけで売りつけたり、
または、欲しいものやサービスを安く手に入れようとするのは
売る立場にしても、買う立場にしても、ちょっと失礼なんじゃないかなって思うんです。

本当に相手を思いやれる関係なら
自分だけ得しようという発想にならない

もし本当に相手を心から思いやれる気持ちがあれば、
おそらく「安くしてもらおう」「買ってもらおう」という驕りの気持ちにはならないはず。

そもそも商売って、友人に売るために始めるものではないわけで
友達をお客さんにしようという発想自体が、商売人としてイケてなさすぎで
そんなものはただのお店屋さんごっこです。

お客さんが友達のみの商売って、どのみちいずれ行き詰りますって。

趣味と仕事の明確な違い

相手に商品を売りつけてしまう、
相手の商品を値切ってしまう人の心理って
たとえば習い事の発表会とか趣味の展示会とか、そんなノリなんだと思います。

サラリーマン同士であれば
本業に関する知識の相談をしたりすることもありますしね。
(例えば医療職であれば健康相談を受けたり)

生計という原価

趣味や習い事と決定的に違うのは
商品を作ったりサービスを提供しているその時間も
その人の生計というコストがかかっています。

値切るというのは、その人の生計を値切るようなもの
よほど起業の手助けをしたとかでもなければ、とても失礼なことですし
下手すると相手の生計を脅威に晒しかねない行為です。

落としどころは
「モニターとして協力してもらう」

もしそれでも自分も相手も興味があるのであれば
モニターになってもらいましょう!

親しいからこそ、
「ここがよかった」「もっとこういう機能やサービスが欲しいかも」
というリアルで正直なフィードバックが聞きやすかったりしますし、
よく知っている相手だと、表情でなんとなく満足感が計れたりするもの。

こういう事こそ、
友人同士だからこそ成し得る「友達の価値」だと思いますし
それは代替できない無形の資産です。

身近でモニターさんの経過が見れる

提供して終わりではなくて、その後の変化を身近で見聞きすることができますから
文字通りリアルなモニターになってもらいやすいですし
それなら安く提供したりされたりするの理由にもなりますよね。

親しいからこそ距離感に注意

ただし、わたしのような受注制作だと、どこまでも無限に要望が出てきたり、
(本人に悪気がなくても)頼みたい放題と言わんばかりに無理無茶を言われたりすることもありますので
安易に二つ返事でお請けするのはちょっと危険と思います。
下手すると「他人」のお客さんより厄介な取引になります。

そこは、金銭と親交の落としどころをみて判断するような形になるのかなと。

友人からの「買いたい」は
社交辞令かもしれない

それからこれもあるあるですが
友人からの「ほしい!」「いつか買う」は、社交辞令の可能性もあります。

というか、ほとんど社交辞令だと思っておいたほうがよいでしょう。

あなたの商品やサービスを褒めるために
悪気なく「ほしい」と言ってくる人は一定数いますが
お金を出す側も同じく、大切な家計のお金をあなたに払うわけで
簡単に購入してくれることはあまり期待しないようが良いと思います。

タダでやりとりできるのは
本当に余裕のある人のみ

よほどのお金持ちや、有り余るほどの商品を作っている人であれば
無償で友人に提供することもできるでしょうが
自営業でそういう余裕のある人は少ないのが実情ですし
それを友人だからと全員にやっていてはキリがありません。

あまりないと思いますが
お互い自営業同士で物々交換するのであれば別ですが。

大企業と個人商売では
金銭感覚がまるで違う

特に、大きな企業に勤める方や、経理や売上面に関与しない人って
このあたりは想像しにくかったりするんですよね…
(というか自分もそうだった)

ちなみに、これを読んで「友達なのにひどい!」とか、ケチとか思う方には
そもそもあんまり参考にならない記事かと思いますが
(そういう方はご自身の信念に従ってください)
せっかくはじめた商売を気持ちよく発展させていくうえでのマナーとして、
知っておいてほしいなと思うのです。

まとめ:
友達だからという理由で
商売に引き込むのはNG

以上のわたしの考えは冷たいのかもしれませんが、
商売としてやるのであれば、友達とは明確に線引きしたいもの。

  • 買う側は、それが本当に欲しいかどうか吟味する。
    生計をかけて商売している友人に、値引きを期待してはいけない。
  • 売る側は、相手が欲しいと思っていないものを売らない・勧めない。
    気軽に買ってもらえるとは期待しない。
    「この人にぜひ使ってほしい」という品があるなら、プレゼントしよう

そのうえで、本当に欲しいと思ったら買えばいいし、
買ってくれる友人がいたなら、誠心誠意でお応えする。

「売る」も「買う」も、義理ではなく自分自身の意志で。
そんな、シンプルなことに尽きるのです。

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