最近、「ギグワーカー(gig worker)」という働き方が
話題になっているらしいですね。
ギグワーカーとはどんな働き方か
調べてみると、「ギグワーカー」の語源は、
ミュージシャンが音楽のセッションにその場限りで単発で参加することを
「ギグ」呼ぶそうで(わたしも音楽が趣味ですが知らなかった)。
つまり、固定でどこかに永続的に属さず、単発でスキルを提供する関わり方を
働き方に応用して例えた造語のようです。
具体的には、単発案件を担うフリーランスや
1件いくらというフードデリバリーの配達員さんなど
永続的で定量的な雇用契約を結ばずに、出来高制の給与形態のお仕事を指すことが多いようです。
会社に縛られずスキルを単発で売ることができる
メリットは、会社の面倒なルールや勤務体制に縛られず
自分の働きたいときに、自分のスキルを提供できることでしょうかね。
無駄な雑務や業務外のタスクに煩わされることなく
専門の業務だけに集中できる形態であることが多いので
スキルも積み上がりやすいですし、その経験は資産として自分に残ります。
(たとえ守秘義務があったとしても、経験知として身に付きますからね)
都合の良い時に働いたり休んだりしやすい
元々雇用という概念が薄いので
他の仕事と掛け持ちしたり、都合が悪い時はしばらくお休みしたりと
比較的融通がききそうでもあります。
(もちろん、繁忙期や評価などの理由で、そうはいかない場合もあるでしょうが
会社員と比べてそうしやすい、という意味で)
収入は不安定だが
稼ぎの上限はない
逆に、たくさん稼ぎたいときは
お仕事を増やしたり、掛け持ちして働くこともでき
しかも、労働した分だけ対価がいただけます。
これ、正社員していると意外と難しいんですよね。
もっと働きたい、稼ぎたいという時にうまく仕事があるとは限らないし
副業禁止だったり、本業の環境的に副業するには融通が利かない場合も多いですし。
(ちょうどいい時間の副業がない、副業の時間までに本業を退勤できる保証ができないなど)
不当なサービス残業や、生産性のない会議なんかで大切な時間を消耗するより
フェアな関係性を築きやすくもあります。
もちろん、体調やスケジュールなどの自己管理力は一層問われますが
まぁ、自分の体を自分でコントロールするのって、至極当たり前のことで
むしろをそれを社会やら会社に委ねすぎているのが「普通」になってしまっているだけのようにも思います。
文明が発達しようとも、毎日自分で食べ物を確保するのが、本来の生物の生き方の本質ですからね。
食べ物の供給を他人に依存しいる以上、別の労働対価を提供して然りなわけで。
副業とは限らない
副業のイメージが強かったですが、
定義から考えると必ずしも副業とは限らないかもしれませんね。
たとえば日中は趣味をしながら時々働くとか、ギグワークを掛け持ちするとか
出来高制の「ギグワーク」が本業ということもありえるかもしれません。
(わたしもけっこうそんな感じです。)
今は「会社が守ってくれる」ではなく
「会社から自分を護る」時代
コロナをきっかけに気付かざるを得なくなった人も多いでしょうが
今は昭和(ギリギリ平成もかな)のように
「良い会社に養ってもらいながら、ぬくぬく暮らす」ことが理想の時代は終わり
それどころか、会社に人間らしい生き方を脅かされる時代になってしまいました。
昔のように、会社は養ってくれる家族ではなく
もはや、気を抜くと搾取されかねない脅威という敵です。
会社に守ってもらうことより、
会社から自分の身を守ることを考えたほうが、よほど自分のためです。
安定と引き換えの代償が多すぎる
個性を殺すことはもちろん、プライベートの保証もなく
執拗なハラスメントや、実務に必要ない勉強、ボランティア出勤を強要されて
会社の無意味なシステムや上司の虚栄心のために、
有限な若さをどんどん刈り取られて消耗する。
少子化で新入社員がなかなか入ってこないから、
何年経っても子供のような下っ端扱い。
使い放題されて滅私奉公して働いている割に、
いつまでも上がらないポジションとお給料では、休息はおろか
自分が自分として咲ける場所も作りようがない。
べつにキラキラしたいわけじゃないけれど、
自分が自分であり続けること自体が難しい。
大げさではなく、これが今の「正社員」の実態ではないでしょうか。
わたしもそう肌で感じて正社員をやめたうちの一人です。
安定を手にした人の末路
これは仕事に限ったことではありませんが
半永久的になくならない安定が保証されると、
努力をやめて怠けるのが人の性です。
そりゃそうですよね。
わざわざ労して新しい物を取り入れたり、改善する必要なんてなくなりますから。
努力せずふんぞり返っている人は
新しいものが脅威
言い換えると、努力せずふんぞり返っている人にとって
何かを変えようと努力している人は、脅威です。
今のままが一番、それどころか、新しい物は自分の立場を脅かすので
新しい物や急成長するものを必死で否定し、何とかして現状にしがみつこうと
ありとあらゆる正論を使って正義感を振りかざします。
昭和のおじさんは変わらない
上司の心無い言葉や圧力に心を痛める人も後を絶たないですが
それって単純に、老害の嫉妬と
「今の自分のぬるま湯を手放したくない」というエゴだったりするんですよね。
変わってほしくないから、必死で新しいものを否定しにかかる。
そんな環境に、毎日毎日8時間(以上)も居ては
どんなに自分んで心を強く持とうとしても、無意識に洗脳されてしまいかねません。
待っていても仕組みは変わらない
しかも、立場と数で圧倒的に若者は負ける無理ゲー。
有権者の半分以上はいわゆる「昭和の人」たち。
仕組みが変わって、老害おじさんが席を譲るのを待っていては、貧しい未来しかないんですよね。
(なぜ「おじさん」に限定するかというと、昭和時代は女性の社会進出が今と比べて少なかったためですが
嫉妬にまみれた老害おばさんもまぁ多いですけどね…
言うまでもなく、すべての年長者の方を否定するつもりは一切ないし、
尊敬できる年長の方ももちろん多くいらっしゃいます。
逆に若い人でも、努力を放棄して威張り散らす老害青年はいますよね。)
そんなの、悔しくないですか?
そりゃ、お金いらないから自分の時間返して、となりますよね。
ギグワーカーのいいところ
その本音が形になったのが、安定を棄てて自分を守る
「雇われない働き方」なんじゃないかなと。
話は戻ると、安定を手にすると怠けるというのは
他人事ではなく、誰にでも当てはまります。
人を成長させるのはいつだって
危機感と不足不満
だからこそ、安定に浸っている人より
「この場を失うかもしれない」という一抹の危機感くらいは
背負っていたほうが、良い働きができるんじゃないか。
そう思うと、お互いにいつ切られるかわからない状況というのは
憂うべきことではなく、フェアで建設的なあり方ですし
マクロな目線でも、大きなビジョンを掲げておきながら隣の人の顔色しか見えていない「安定企業」よりも
長期的にはよほどいいものが生み出せると個人的には感じますけれどね。
辞めやすいので市場価値を切磋琢磨しやすい
常勤雇用よりも不安定、いつ契約を切られても仕方ない
ということばかりが問題視されていますが
これは働く側からしても、不当な労働を強いる会社に見切りをつけやすいというメリットでもあります。
(まぁ、会社に絶対に捨てられず養ってもらいたいと考える人は、ここまで考えが及ばないでしょうが)
さらに、いつ契約が終了するかわからないので
常に新しい仕事探しや市場に目を配っている必要があり
そういう意味でも、一つの会社だけに意識が過剰に集中しすぎることなく
労働市場で使い物にならない化石と化してしまうリスクも少ないでしょう。
また、安定企業で働いているとありがちな
無駄にプライドが高くなることもなく、選ばれる側の身として謙虚でいることができます。
スキル云々以前、偉そうに威張っている人と一緒に仕事したくないじゃないですか。
これって、自分で心がけていてもなかなか難しいですからね…
新しい働き方が
形を変えて流行を繰り返す理由
安定した職も学歴も捨てて、フリーになったなんて自分だけで
「お金より自分の時間が欲しい」と思うのは、自分のわがままだと思っていたのですが
コロナも後押ししてか、ギグワーカーや副業に対して関心が高い人も多く見受けられ
どうにもそうでもないということがわかってきました。
ギグワーカーでもフリーランスでも派遣でもフリーターでも
べつに、名前や肩書きはなんでもいい。
流行りに合わせて呼び方が変遷しているだけで
細かい雇用形態や契約的な扱いは違えど、その実態は同じで
つまるところ、「会社の所有物にはならない」というのが本音で
それが全てじゃないかとわたしは思います。
なかなか大多数の「安定した人」に理解されないばかりに
その時々で呼び方がコロコロ変わって、流行りものみたいに扱われるのは癪に障りますが
そうやって、安定を抜け出して本当の意味での幸せに気付いて
能動的に動ける人が多くなってくれたら
社会全体も1ミリくらいは動くのかなぁと、淡い期待をしています。
ギグワークの仕事の探し方
とはいえ、そういう働き方をしたいという人のほうが今は供給過多のようにも思いますし
そう思ったからすぐにできるかというと、なかなかそう簡単にできるとは限らないですよね。
では、どうやって仕事を探したらいいかと言うと
数年間フリーランスをしている身から言うと、
- 社会に必要とされているものを見極める
- 定量化しやすい技術を身に着ける
がポイントではないかと思います。
採用基準が正社員と違うので
応募できる可能性が拓ける
こうやって書くと、
誰にも真似できない高度なスキルが必要なように思えますが
一概にそうでもないです。
学歴ではなく
「今すぐ役に立てそうか」が基準
正社員雇用と違って、ギグワーク(単発契約)のいいところは
高度なスキルや学歴が必須でないということ。
もちろん例外や、あったほうが良いこともあるでしょうが、
冒頭に書いたフードデリバリーの配達員さんであれば
「自転車に乗って地図通り食べ物を運ぶ」ことができれば良いわけです。
正社員の採用基準は「長く働けそうか」だから
減点方式になりがち
正社員採用だと、「長く働いてもらう」ことありきなので
- 短期離職や離職期間が長い=すぐ辞めるのでは?
- この人は他の社員とうまくやっていけそうか?
なんて基準で決められてしまうことも多いので、
採用側は慎重になり、減点方式で人を見ます。
べつに研究開発するわけじゃない、実務は単純労働ばかりなのに
無意味に学歴ブランドを賛美する会社もありますしね…
不毛な就活や
無意味な学歴至上主義から解放される可能性
そういった面でも、正社員では不採用続きだったり
経歴的に不利になりがちな人にも、可能性が拓けてくるのではないかと思います。
不採用続きって、人格否定されたような気持ちにもなってしまうし、
社会から「いらない」と言われているようで、やっぱりつらいじゃないですか。
実際に、わたしも短期離職をかなりしていますが
ありがたいことに、今アルバイトや業務委託で働かせていただいている企業様からは
職歴や離職理由を根掘り葉掘りされませんでした。
スキルを提供するためだけに、面接で余計なことまで根掘り葉掘りされて
あら捜しされるの、ほんとイヤですよね…
そのためにも、社会でどんなスキルが求められているのか、
その中で自分には何が提供できるか、
ある程度トレンドを読んだり、自己分析するとよいですよ。
○○が作れますとか、この言語を扱えますとか
スキルや実績が具体的にわかるように定量化できると、さらにわかりやすいでしょうけれど
この域に達するのはなかなか大変ですので
流行やら資格を過信しすぎず、自分なりの最適解を見つけていってみてくださいね。
まとめ:自分を売り渡すのではなく、
スキルを貸す働き方
セールスレターでもないのについつい語りすぎてしまいましたが、
結局なにが言いたかったかというと
「ギグワーカーをしたい!」「この仕事はギグワーク?」という定義はさておき、
自分を明け渡さないために、(安定と引き換えに)どこにも属さない
という選択は、時代に即している働き方として大賛成です。
なにも一つの会社に縛り付けられて、
無意味な仕事や上司や同僚のご機嫌取りをせずとも
技術を提供して対価をいただくという、極めてクリーンでフェアな取引が実現できる。
会社に自分の生活丸ごと明け渡すのではなく、
スキルや労働力を「貸す」という、あくまで自分本位の働き方は
シンプルで本質的なあり方だなと、強く賛成したいです。
しかも、学歴や経歴ではなく、
今すぐ役に立てるかという至極明確な採用基準。
浸透すれば、何かが大きく変革しそうですね。
与えてもらるのを待って思考停止している人は、ますます生きるのが大変になりそうです。
自分の幸せを勝ち取るために、今一度、働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
きっと、何かがラクになりますよ。
働き方のお悩み相談やっています
ついでなので、働き方に迷っている人向けの相談やっていますよと
ちょっと宣伝しておきます↓
今の仕事を辞めたいけれど…
安定を手放すのが怖い、
まわりの友達や親は安定職の人ばかりで、相談できる相手がいない。
副業するなら、どんな仕事ならできそうか…
誰に相談するか次第で、
その夢は伸びることも折られることもあります。
無理にフリーランスや起業をすすめるものではありません。
ただお困りごとを聴くだけもOKですので、
本音を漏らせるやすらぎの場所として使ってください。
おまけ:正社員にこだわっていられないのは
採用側も同じ
たびたび正社員オワコン的な話は語っているのですが
これって、採用側にも同じことが言えるということで
お得な使い放題社員、意味もなく「ずっとそこに居てほしい」にこだわっていては
良い人材が確保できなくなってくることは明らかですよね。
なぜなら、優秀な働き手は
自らのスキルをより高く買ってくれるところ、より柔軟に働けるところを選びますし
優秀だからこそ、評価や扱われ方に敏感で、情報を探すのが上手です。
エージェントで接触確率を上げる
かと言って、1から自社で募集をかけては、時間もコストも膨大にかかります。
コーポレートサイトに求人ページを作っただけで、
優秀な人材が、星の数ほどある会社中からあなたの会社を見にくるのを待つだけなのは
ちょっと心許ないかもしれません。
採用コストを抑えられるに越したことはありませんが、
優秀な人材は掲載無料のハロー●ークなんて見ませんから
「募集のプロ」のサービスを利用するのが早道です。
応募者のニーズに合った場所で採用を
さらに、今は単発採用型のエージェントが増えていたり
SNSに連動していたり、マッチングアプリ型のシステムなど
ニーズに応じた便利なサービスは多いです。
また、エージェントにはあらかじめスキルや経歴が登録されていることも多く
求める人物像と著しくかけ離れた人材を最初から除外しやすいなど
選考もスムーズです。
まずは反応を見てから改善する
求職者側の立場からしても、
求人がまとまっているエージェントで探すほうが効率的です。
つまり、たくさんの募集案件が集まっている場所を利用して接触頻度を上げ、
それでも集まらないようであれば、採用方針や募集要項を見直すという順番でもよいのではないでしょうか。
その仕事、命を削ってまでもらう対価はありますか?
心強い法律遵守の退職代行
上司と二度と会話不要、安心のコミコミ料金。
あなたをないがしろにする場所に、1秒たりとも時間を使わなくていい。いや、使ってはいけない。
わたしは大真面目にそう思います。
会社はあなたの幸せに責任を取ってはくれません。
リセットするなら1日でも早く。
自分の人生を取り戻しませんか。
→東京都労働委員会認証の合同労働組合【退職代行ガーディアン】