公開日: 2023/04/02  最終更新日: 2023/06/04

最近、某海外ファストファッションアプリでよく買い物をします。

可愛い服が安く買えるし
品揃えも良い。

最近買って気に入ったシャツ!

いかにも海外で作っているな、といういびつな日本語のショップからは
今までもモールを通してよく買い物していましたが
届くのがとにかく遅くて、忘れた頃やシーズンが終わった頃に届いたり
レビューがなくて不安だったりということもあったのですが
このアプリは、海外から届けてくれているにしては早いし、追跡もできるのですごく優秀。

アルゴリズムがよくできている

何より、WEB業界で働いている身として
アプリのアルゴリズムがかなりすごいな、とビックリしました。

閲覧履歴やカートに入れた品物から、
欲しい物や好きそうなものがちゃんと出てくるのですよ。
ただただ似たカテゴリのもの、という感じでもなく、わかってらっしゃる!という感じで。笑

ファストファッションは
過酷な労働で成り立っている?

特定のショップや国に限って言われていることではなく
ファストファッション全体に言えることですが
その裏には、服を作っている人たちの劣悪で過酷な労働環境があると
物議を醸されたりもしています。

「だから自分はファストファッションでは買い物しません」
と公言している人もいますよね。

だけど、わたしはこれからも買います!

その理由を、わたしなりに書いてみますね。

※色んな考えの方がいて良いと思いますので、あくまで一個人の意見であり
誰かに強制する意図はありません。

悪いのは消費者ではない

そういう、ファストファッションの闇を暴くようなメディアを見るたびに
消費者まで、まるで悪事に加担している加害者みたいに書かれていますが…

売っているものが好きだから買う。
べつに、売っているものが違法な商品のわけではないのだし
これに尽きると思うのですよ。

消費者には買う権利があるし
買うことは悪いことではありません。

日本の労働環境だって決して良くはない

どこからが強制労働で、どこからがそうじゃないかとか
あの国に比べたら日本は恵まれているとか
そんな議論をしたらキリがないのでしませんが

1日8時間なら良い、とか
食べるものに恵まれているから…という問題でもないと思うのですよ。

日本のサラリーマンだって、不自由じゃない?

給与明細の内訳をよく見たことのないサラリーマンが多いかもしれませんが
労働対価のかなりの部分が、税金やら社会保障やらで強制的にむしり取られていて
働いていないのに、自分たちの手取りよりも多くの年金をもらっているお年寄りも少なくありません。

食事だって、飽食とか言われているけれど
実際は満足に摂れている人のほうが少ない。
というのも、量は十分確保されているように思えますが
食べる時間もない、環境も制約されて食べたいものが食べられない。

帰ってきたら夕飯を食べる気力もなく寝てしまったり
昼休みは、狭いオフィスで、音や匂いを気にしながら
適当に炭水化物と冷凍食品を詰めたような、冷たいお弁当を毎日食べていたり…と
自分が食べるものを自由に選べない人は多いはずです。

オフィス街の公園のベンチには、お昼時になると
おそらく会社に居たくないから逃げてきたであろうサラリーマンがたくさんいて
一人でぼーっと時間を潰しています。
一時期、「便所メシ」が話題になったこともありますよね。

これも十分、異常だと思うのですが
お金をもらっているからオッケーなのでしょうか。

何より、電車に身動きが取れないほどぎゅうぎゅうに詰め込まれて
毎日通勤するのが当たり前になっているって、変じゃないのでしょうか。

日本の労働者だって自由を奪われているはずなのに
「みんなそうしているから」「それが当たり前だから」という認識が浸透して
みんな、それに気が付いていないだけなんです。

安いものしか買えない人がいるのも事実

安いファストファッションが売れている背景には
それを買う人がいるということ。

もっと言うと
安い物を買うしかない人がたくさんいるということでもあります。

働く場所は
大事なセーフティネット

たしかに、わたしたちが買っても
収益は偉い人の懐に入るだけで、作っている労働者の方にはバックされないかもしれない。

だけど、それでも
どのブランドがとか、どの国がとか関係なく
労働環境が劣悪だったとしても、こういう働く場所は必要だとわたしは思います。

なぜかというと、
働く場所に困っている人にとっては、環境が劣悪であれ
こういう働く場所はある意味セーフティネットになっているという見方もできるのではないかと思うためです。

働く場所が見つからない人もいる

海外の人よりもずっと恵まれているとはいえ
わたしも、仕事がなかなかなくて生活に困窮し
誰も頼れる人もなく、未来に絶望しかなかった、いや、
未来とかより、明日や来月暮らせるか不安で仕方ない時期がありました。

いい加減、アルバイトの掛け持ちをやめて就職しようと腹を決めた午前3時の闇。

だから他人事ではなくわかるのですが
何の能力も信用もない、本当に身一つしかない人間は、仕事に就くことすら難しい。

一度無職になってしまったり
やむを得ない事情でも「わけあり」の経歴やステータス、持病などがあったら
ちゃんと働けるのか信用してもらえず、雇ってすらもらうまでが非常に大変なのです。

人の下で働く人も必要

どこだかのベンチャー企業の社長さんなんかは
「だったら起業すればいい、自分も身一つで起業した!」とか言うのかもしれませんが
起業して、生活できるほどに収益を上げるのは、誰でもできることではないし
人の下で働く人も絶対に必要不可欠です。

(嫌味ではなく、自分含めて)人の下で働くことしかできない人のほうが圧倒的に多いし
実際、そういう労働環境で働いている人たちが確かにいるのが実情です。

「強制労働」が潰れたら
どこで働くのか

おそらく、強制労働と批判される労働市場はなくならないでしょうが、
仮の話でもし、消費者がこういう所から買うのを一切やめて、会社が潰れて
本当に働く場所がなくなったとしたら…
彼ら彼女らは、代わりにどこで働くことになるのでしょうか?

日本のように生活保護があるわけでもありません。
路上生活や物乞いをするか、体を売るか、違法な商売に手を染めるか
ゴミを漁ったり、盗みをして食いつなぐのか…
いずれにしても「大変」だけでは済まされない、
もっと闇落ちする道しか残されていないのではないでしょうか。

だとしたら、「買わない」行為はある意味
彼ら彼女から働く場所を奪ってしまうことにもなりかねないのではないか。

だったら募金すればいい、という人がいるかもしれませんが
あなたは他国の見知らぬ人たちを養うだけの募金ができるのでしょうか?
「買わない」ことで、彼女らは本当に救われるのでしょうか?

そう考えると、強制労働と言われるような場所はむしろセーフティネットと言えるし
そんな環境に身を置きながらも命をつなぐために頑張っている人って、たくましいなと尊敬するのです。

まとめ:
手仕事を安売りされたくないなら
比べられない付加価値を

たしかに、正当な価格でモノを作っている人にとっては
安値でたたき売りされて、そのくらいが相場で当然みたくなってしまうのは
たまったもんではない。

わたしも自分と似たような仕事を500円とかで請け負っている人を見るたびに
「自分の仕事欲しさに軽い気持ちで市場の相場下げるなよ」と腹が立ったりもするので(笑)、その気持ちもすごくわかります。

だけど、そこにはそこの需要がちゃんとあるのですよね。

安かろう悪かろうが
必要な時もある

なんでも人が作ったものが絶対良い、というわけではなく
安くてそこそこのもので事足りる場面もたくさんあります。

どちらを選ぶかは、その人の嗜好や重要度、必要性など
時と場合にもよるので一概には言えないのではないでしょうか。

大量生産・安売りには抗えない

AIや機械化など進んでいるこの世の中で
「人が作ったから」という理由だけで高く売るというのは
段々通用しなくなってきていることも無視できません。

自動精算機ではなくレジ打ちのおばちゃんが会計してくれたから
多めに支払う、とかはしないはずですよね。

であれば、人が手間暇かけて作っている対価を求める以上は
手仕事なりの付加価値が求められることも忘れないようにしたいもの。

また、人間の時間は有限ですから
全部生真面目に一から手作業ではなく、部分的に自動化するなど
そのプロセスになるべく手間をかけない工夫も必要になってくるかもしれませんね。

これはファッション業界だけに始まった話ではなく、
色んなものに言える話ではないかと思います。
伝統の器と100均の器や、食べ物も然り。
IT業界で働くわたしも、他人事ではありません。

だから、わたしはこれからもファストファッションを気にせず買うし
感謝の気持ちをこめて使います。

ま、買う一番の理由は好きだからですけれどね!

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