ベーシックインカム:
事業収入が途絶えても生活できるセーフティネット
わざわざ社会的地位も低い、時給労働のアルバイトをする最大の理由は
リスクヘッジです。

投資をされている方であれば馴染みがあるのではないかと思いますが
一つがダメになったとしても潰れないよう、
性質の異なる別のものを同時に保有してリスクを少なく運用するという分散投資と同じ考えです。
セーフティネットがあると小回りが利く
また、複数仕事をしていると
もし一つの仕事を辞めたとしても、仕事=収入はゼロにはなりませんから
退職をしたり、収益がついてくるのに時間のかかる事業に挑戦するといった
リスクのある挑戦の際に補助輪になってくれて、勇気も出しやすくなります。
もちろん、お仕事の機会をいただいたものに対しては誠意をもって全うすることは前提ですけれどね。
安定だけど低収入+不安定だけど青天井
異質な2つの組み合わせ
個人事業は収入が保証されていませんし
時代の流れや個人的信用によっていつどうなるかわからないもの。
対して、アルバイトは時給という収入が保証されています。
最悪その職場で働けなくなっても、すぐに別のアルバイトを探すことも可能ですし、
家計状況に応じてシフトを増やしたりWワークすることもできます。
社会と多面的につながれる
これは私個人の感じ方の話になりますが
いろんな場所で顔を使い分けると、自分のメンタルが安定するのです。

居場所が一つしかないと、関係性も閉塞的なものになり
そこでうまくいかないと絶望的な気持ちになりがちですが
たとえば1か所で嫌なことがあっても
ほかの場所に行けば気がまぎれたり忘れることができたり元気をもらったりと
「逃げ場」として機能してくれます。
点が線、線が面になると安定する
それが1か所だと「点」、2か所だと「線」だったのが
増えるほどに「面」なり、より安定するような感覚。
また、それだけ色々な場でちょっとずつ役に立てているという貢献感や存在意義も感じることができたりして
40時間×1か所よりも、20時間×2か所で働くほうがわたしは充実感を感じます。
心身の労力は最小限に留める
それからこれも重要なのですが
アルバイトはあくまで副業ですから、
本業に支障をきたさない程度の負担の少ないものである必要があります。

ネット界隈を見ていると、フルタイム正社員+個人事業をされているポテンシャルの高い方も少なくありませんが
すごいなぁと思いつつ、残念ながらわたしはそこまで気力も体力も豊富ではありませんし
自分を失うほどみっちり働くのはそもそも本質ではありません。
パフォーマンスを落としては本末転倒
正社員+個人事業のほうが収入も莫大になるのは言うまでもありませんが
みっちり8時間働いたら疲れるし、日中のストレスを持ち帰ってきたらイラついて集中できないし、ルーチン業務以外の責任やしがらみがついてくると頭が休まらないし、7時間以上寝ないとゾンビのように疲労感がつきまとう。
事実、わたしは体力もメンタルも弱く、何度か息切れしてニートになったりもしています。
副業が理由でパフォーマンスを落としては本末転倒。
無理をして頑張った結果、どちらも共倒れになるリスクすらあることを思うと
欲張らずに細く長く働けるアルバイトをして、事業のための余力を残しておくのが自分なりの最適解でした。
自分も欲張りすぎてしまいがちなのですが、
バイト代は家賃+αくらいにとどめておくのがベターかなと思っています。
土台があるからこそ、事業の質が上がる
言われた仕事だけをして自分の人生を売り渡すのではなくて
自分の得意や好きを生かして、自分ならではの価値を提供する。
最低限の生活を保障されながら
その土台の上で自分の使命を最大限に生かせるライフワークをすると
下支えがあるという安心感が土台となり、
雑念に囚われずに本業(個人事業)に集中することができます。

時には切迫感がモチベーションになることもないわけではないですが
特に、自分のような芸術系の仕事だったり、人と話す要素のある仕事だと
メンタルの状態がパフォーマンスを左右することも少なくありません。
義務感や収入確保目的の気乗りしない仕事を断ることができる
「稼がなければ」という義務感ベースで気の進まない仕事をする必要性も少なくなりますから、
請ける仕事を選ぶことができるようになったり、品質やモチベーションを保つこともできます。
継続するためには、モチベーションや体力の維持は欠かせませんからね。
あとこれはわたしの場合だけかもしれませんが
仕事でも人間関係でも、
一つだけに絞って力を注ぐと、途端にうまくいかなくなるんですよ。
おそらく、「これしかない」という切迫感ゆえに
基準が「失敗しないため」というものになり、
途端に遊びがなくなるというか
そうなると、気分が上がるようなモチベーションも
遊び心のあるアイデアも出しようがなくなり
なので、語弊はあるかもしれませんが
「失敗して失っても良い」と思える
自分が自分である時間が確保できる
自己啓発っぽく表現すると
「自分に還る」時間でしょうか。
特に女性であれば共感していただきやすいのかなと思うのですが
自分が満たされていないのに人に貢献したところで負の感情しか生まれないし、
人のために頑張ったあげく、自分には何も残らなかったという働き方はしたくなくて
それは海外旅行に例えるとしたら、
決められたツアー行程を消化試合のごとく忙しく回って、人のお土産をたくさん買って
帰ってきたら自分には何も買ってきておらず、疲労だけが残ったといった感じのもの。

これはあくまでわたしの考えなのですが
フルタイム正社員だと、「仕事の合間に休みがある」という感覚ですが
アルバイトだと、「自分の生活の合間で仕事をする」という、自分の生活がベースになるような感覚に変わりました。
たったそれだけでも気持ち的な余裕は全然違いますし、
「好き」や「楽しい」などの自分の感性が喜ぶ時間を大切にしたいなと思っています。
デュアルインカムを実践してみて良かった5つのこと
1.いろいろなステージの人と接点ができた
バイト先にはWワークで働く方も多く、年代も色々で
一つの仕事だけをしているよりも視野も人脈も広がりました。
ほとんどの関係はバイトが終わると切れてしまいますが
その中でも、辞めてからも連絡を取っている人や、
連絡を取らずとも印象に残る生き方やキャラクターの人というのは一定数います。
様々なプロを目にして等身大の自分を自覚した
お恥ずかしいながら、ちやほやされていた専門職時代は
(丁寧に頭を下げてくださっていた業者さんの方が高年収だということも知らずに)自分は勝ち組だと思って何の実力もないくせに威張っていたのですが
年齢や学歴などで人を評価せずに頭を下げられるようになりました。
医療のプロというと過剰に崇拝されがちですが
それぞれの業界にプロがいることを肌身で感じて、等身大の自分を直視できたからこそかもしれません。
2.趣味ができる時間的・精神的余裕ができた
正社員時代は仕事のためにスケジュールを開けておくのが常だったため
突然会議が入ってコンサートに行けなかったこともありましたし、
職業柄、お洒落も控えていました。
習い事も気晴らし程度でしかできず、大して習得できませんでしたが
今は趣味ベースでシフトを希望することも可能です。
学区外の進学校に進学するために辞めてしまったピアノを
もう一度ステージで弾くのが死ぬまでの夢だったのですが
念願が叶ったどころか、アマチュアのコンクールで全国大会に出場することができました♡

3.雇用主が絶対だった立場がフラットになり
強気な判断ができるようになった
転職って、怖いですよね。
「ここを辞めたら何も残らない」
「職がなくなるかもしれない」という恐怖がなくなり
条件の悪い仕事を断ることができるようになりました
3度目の正社員登用のお話を受けて感じたこと~断るという選択肢がある強さと会社を評価する目~
採用のハードルが低い
転職活動のように書類をたくさん用意して何度も面接する必要もなければ、
採用までのスパンも短い。
なにより事業があるので、職にあぶれる不安は比較的少ないです。
もし不採用になったとしてもまた受ければいいし
不採用になる確率は転職活動に比べると格段に低いです。
4.時間やお金にシビアになり
使い道を厳選するようになった
どうしても複数仕事をしていると時間を絶対的に割かれますし
生活に制限ができますから
その中でいかに事業の時間とお金を捻出するか、本気で考えるようになります。
そうなると少しの通勤時間も惜しくなったりとアルバイト先を選ぶ基準や
バイト仲間や友人からの誘いや付き合いに乗るかどうか
そういった基準もおのずと決まってきます。
5.損得ではなく「好き」で選べるようになった
「時間やお金にシビアになった」と矛盾するようですが
同じ労働であっても、せっかく過ごす時間なら少しでも楽しいものにしたいという思いで
損得よりも好き嫌いで仕事を選ぶようになりました。
いくら単価が高くても、過ごす時間が辛ければプラスマイナスでマイナス。
ストレス発散で無駄な散財にもつながりかねません。
精神論にはなってしまいますが
結局、好きなことをやって生き生きしているのが一番、自分のプロモーションになったりもします。
どうせ働くなら「好き」要素を
わたしは今、生演奏の入るレストランバーで副業しています。
最初はお酒と音楽が好きなだけの好奇心ひとつで飛び込みましたが、
居心地が良くて2年以上も続いており
今の複業のライフスタイルを構築するうえでも大いに寄与してくれています。
正直、接客は嫌いなのでうまく立ち回れなくて辛いことや
酔っ払いに絡まれてイラっとすることもありますが
それを差し引いても
美しいカクテルを作るバーテンダーさんの職人技はかっこいいし、
料理は美味しそうだし、大好きな音楽にも触れられて、
お店に居られる時間は幸せなひとときです。

同じお店を選んだという価値観がひとつ一致しているので
一緒に働く方も不思議と温度感の近い人が多い。
苦手な接客業のはずなのに結果、一番長続きしていて今に至ります。
アルバイトだと相対的に気楽に働けるようになった
こんなことを言うと怒り出す人がいそうですが
アルバイトで働くようになってからは適度に冗談を言ったりしながら
職場の雰囲気も、自分自身も楽しみながら働けています。
と言っても冗談を言ったりするくらいで、問題になるような行動をしているわけではなく
お仕事はもちろんちゃんとやっていますよ。
正社員だと責任だとか周りからの評価だとか後輩にナメられるかもとか気になって
なかなかやりにくいですからね。
デュアルインカムの注意点
欲張って働きすぎると本末転倒
これはわたしの失敗談ですが
少しでも稼ごうと欲張ってWワークをしたり、社員並みにシフトを入れたりすると
そもそもあえてアルバイトをしている意味が薄れます。
むしろそれは、無保険・低賃金で都合よく使われるだけのただの便利屋です
例えば1~2か月だけなど、短期的なお金を工面するのであれば有益かもしれませんが
シフトを限界まで入れたところで色んな意味で収入は頭打ちになりますし
稼げたとしてもせいぜい年収200万くらいが限度ではないでしょうか。
それなら正社員のほうがまし。
そしてそこまでアルバイトに時間と体力を費やしているのであれば、
個人事業の手は止まっているはずでしょう。
社会保険が自己負担だと、損してない?
ちなみに無保険のアルバイトをしているというと
「社会保険に加入できる正社員になったほうが得なのに勿体ない!」とか
「働くことができなくなった時のため雇用保険を」などと説いてくる保険大好き人間が必ず現れますが、
これについてはこの場では論じません。
一つだけ言うと、無職にならないための複業であり
どこにも雇用されない=路頭に迷うという根本の発想自体を変える、
どこにも雇用されなくても生きられる手段を作るための試みです。

結論から言うと、自分のよしとする環境で生きればいいし
これからは年収やテストの点数など画一的で連続的なヒエラルキーではなく
その人が信じる価値観で住む世界が分かれる時代だと思っています。
だから、どちらも正しいし、どちらかを論破して否定する必要はない。
関わる世界ひとつで正解は変わってきます。
医療職は現時点では副業には不向き
ちなみに、「元医療職なら資格を生かせばいいのに」と言われそうなので書き加えると
就業先も母数も多い看護師さんであればちょっと話は別かもしれませんが
医療職はあまり副業先としてはおすすめしません。
流動的に働きにくい
理由は、医療従事者は「資格を取って安心」という保守的な意識が強く
収入も地位も安定しているため、差し迫って副業の必要性がある人が少なく
今現在、働き方の多様性にあまり対応していない職場が多いのが現状だから。
仕事柄、正解の決まったルールを忠実に学んで
マニュアル通りの仕事を間違えないように、チームでしている医療従事者は
「みんな一緒」という価値観の人が非常に多く、
言い換えると排他的でもあるというのが医療現場で働いてきたわたしの肌感覚であり、
実際過去の自分もそんな価値観でした。

就業規則的には副業が認められていたとしても
一緒に働く現場の人に「主婦でもないのに、なんで?」と、奇異な目で見られて肩身が狭いことも少なくありません。
また、パートと言ってもフルタイムだったり、時間休が取りにくかったり
人相手のお仕事という性質もあり、「常時そこに居て欲しい」という需要が多く
時間的融通は利きにくいです。
一時期、医療職のパートをしていたこともあったのですが
副業としては負担が大きすぎて結果辞めました。
業務以外の手間暇が多い
それに、白衣に着替える時間は必ず生じますし、髪型など身なりにも制約が生じます。
朝礼や記録の入力、機械の立ち上げなどで早く出勤することが当たり前だったりと
就業時間以外のボランティア的な時間コストもけっこう大きいので
見かけ上の単価は良くても割安になることも。
これらを差し置いても、よほど医療のお仕事が好きであったり
価値観の違う人であっても誰とでも仲良くなれる自信があったり
希少なスキルを持っていて優遇してもらえる方であれば別ですけれど
ぶっちゃけそれらのデメリットを凌ぐほどの高給与でもありません。
逆に、医療職をメインでしながら、スキマ時間を使って
お小遣い稼ぎで何か副業をする、という「本業」には適していると思います。
デュアルインカムに向いている人、
向かない人
全ての人にこの生活を勧めるわけではありません。
デメリットもありますから、やはり向き不向きはあると思います。
次のページでご説明していきますね。