ここ1〜2年くらいでしょうか。
出社回帰とか、
「フリーランスを採り控えて、正社員回帰傾向になっている」という声を度々聞くようになり、
わたし自身も身近の動きから
出社回帰、正社員回帰の流れを肌で感じています。

わたし自身は、フリーランスの働き方が性に合っていると感じており
ありがたいことに稼働経験を評価していただけていることもあり、
コロナ禍以降はほぼフリーランスとして稼働させていただいています。
(とはいえ、今後正社員として働く可能性はゼロではないかもしれませんが)
WEB業界に転職してから、アルバイトから始まり、
正社員や業務委託など、色々な働き方を経験してきましたが、
フリーランスとして数年働いているうちに、正社員で働いていた頃とは違った目線や世界観に触れることも多くありました。
出社回帰の流れは「ちょっとわかる」
コロナが明けたからという理由だけでなく、
出社回帰の流れはちょっとだけわかる気がします。
ちょっとしたことを質問したり共有するだけなのに、
わざわざ長文をタイピングしたり、画面をスクショして長方形と矢印を描画しなきゃならなかったりして
かえって手間が増えて非効率なことも多々あります。
お互いの表情が見えたほうがコミュニケーションしやすかったり、
安心感があったり、単純に連帯感ができたり仲良くなりやすい、という必要性も
5年以上もリモートワークしていると少しずつ感じるようになってきました。

WEB会議も基本、(聞き取りにくくなるので)一人ずつしか発言できないですし
コミュニケーションを取るなら対面が一番効率がよいなと。
あと単純に画面の方だけ凝視することになるので肩こりや眼精疲労にもなるし。
会ったことのある関係性のほうが大切にしやすい
好き嫌いや悪気がなくても、
会ったことがある人と、そうでない「画面の向こうの人」だと、
相手をひとりの人間として大切にしようという尊重の重みのようなものが少し違ってくるというか、
言い換えると、会ったことがある相手のほうが、無碍にできない気持ちも働きます。
必要以上に近づきすぎる不快感がなく、セクハラ・暴力・派閥などがないのはよい反面、
いつまでも「他人」とか「デジタル上の相手」の距離感のままで、
ちょっとした指摘がキツくなってしまったり、ドライに受け取ってしまったりしがちかもしれません。
あとは単純に、ちょっとくらい通勤で体を動かして人と会っていたほうが
人間らしい生き方だなと…(これはとても大きい)
わたしは人嫌いで無駄な結束とかコミュニケーションとかいらんと思う派ですが、
それでも、毎日誰とも会う必要がない、レジで「袋要りますか」という会話しかしない生活が何年も続くと
人間としてなんか色々危機感を感じています。
趣味とか行きつけの店を作るといっても、
やはり仕事とプライベートでは絆の深さが変わります。
仕事で共通の課題に向かって同じことをしている仲間のように話を拡げるのは難しいですしね。
これは個々のコミュ力の問題でもあるのですが、自分は0から切り開いていく能力が絶望的にないのでね…
なので、マストではないけど、
ちょっとくらいはあった方が潤うかもしれない、というくらいでしょうか。
週1くらいか、
それで個々人のライフスタイルや住む場所が縛られちゃうとかなら、月1でもよいかもしれない。
このあたりの温度感は人それぞれだと思うので、
どのくらいの頻度で出社したいのか、どの程度出社が求められているかというのが
今後は一つの価値観をフィルタリングする要素になりそうですね。
フリーランス採り控えは自業自得
その一方で、
フリーランスが忌避されて、正社員を取りがたるようになった原因を考えると、
自分もフリーランスではありますが、
フリーランス自身が立場を危うくしているというか、自業自得だよなぁと思わざるを得ないのです。

わたしも他のフリーランスの方と一緒にお仕事をさせていただくにあたり、
自由に動いているのはお互い様とはいえ、業務に支障が出て困ったケースが何度かあります。
フレックスで動いているからと、チームで行うためのMTG日時を決められなかったり
(フレックスで動いてるんで〜と、都合のつく日程を出してくれない)、
教えてくれて当然のような、学生のような姿勢だったり(OJTのある正社員ならわかるのですが)。
おばちゃん根性で注意するべきかと思いつつ、こちらも上司ではないし
業務委託のわたしがカルチャーやルールを決められる立場でもないし、他人に対してそこまで干渉したくもない。
下手するとこちらが口うるさい人だと思われそうであまり強く言えないという。
自由は義務を果たした上での権利
わたしも仕事を調整して日中ブラブラすることや、隙間時間を作って個人的な用事を足すことはありますが
それでも、いつまでもレスがつかなくて何してるのかわからないとか、チームの動きが滞るとか、
あくまで、そういう不信感や業務の進行には支障が出ないよう、
いつでもすぐ仕事に戻れるように配慮して、というのを前提のうえでやっていました。
でもこれって、滞りなく成果を出して信頼されているからこその「権利」であって、
なにも成果を出せていないうちから主張するのは違うと思うのですよね。
いつの間にか成果出してくれてる状態で、はじめて労働時間が問われず自由になれるという。
(中には、同期的な反応を期待してきたり、
「今読んで考えてるから待てや!」ってスピードで追いメッセしてくる人もいますが、
逆にそういうのは、過度に即レス期待する人に応える必要はないと思います)
正社員でも、うまくサボる人や困ったお荷物社員というのは一定数いるものですが、
それでも、フリーランスと正社員では、期待されている動き方やふるまいが違ってくる
ということを理解していないまま、権利と義務を履き違えたままフリーランスになった人が一定数いて、
そういう人たちの動きによって、フリーランス全体の立場が危うくなっているように感じます。
企業側はフリーランスに注意しない
こういう時、通常であれば企業側は
社員でもないフリーランスにわざわざ直接注意しません。
むしろ、フリーランスと適度に距離感を置いている企業であるほど
「外部の人」に下手に干渉できない(偽装請負などもありますし)から、丁寧に接してくれます。
その結果、気を遣うのは企業側や一緒に働くチームメンバーなのですよね。
「自由」の被害を被っている側が、なぜか気を遣うことになるという。
受託会社の場合、もしエンドクライアントから催促されれば、
代わりに企業さんや他の人がお客さんに謝罪することになる。
そうなれば、レスひとつでいちいち滞ったり不安になったり、代わりに謝らせられたりと
気を遣わせるフリーランスよりも、正社員の部下のほうが仕事を頼みやすい、となるのは必然でしょう。

これで、気を遣わせているということに気がつかないフリーランスはまずいのですが、
「何も言われていないからセーフ」と、自覚がないままに
相手企業に我慢を強いてしまっているケースも少なくないと思うのです。
こういうのって、明確なペナルティや、こういう情報はどこにも残らないので、なかなか可視化されないのですよね。
だからまた、別の案件に入ることができて
関わった現場の数だけ「フリーランスはろくでもない」という印象を与えていく。
結論:自由な働き方をするなら、
まずは責任を果たしてから
「フリーランス=自由」というイメージが一人歩きしていますが、
自由と責任は背中合わせのもの。
組織に所属しない自由と引き換えに、守ってくれる後ろ盾がないという自覚なしに、
正社員と同じ手厚さで守ってもらえるとか、学校気分の甘ちゃん意識のまま「自由」だけ獲得しようとか、
自分がもらえる権利のことしか見えていなくて、
企業に対価を与えるという目的を忘れてしまっているフリーランスが多いなぁと感じたので書いてみました。
そういう人たちが、個人で損害を被る(早期に切られる、信頼をなくすなど)分には知ったこっちゃありませんが、
こういうことが再現性を持って積み重なると、フリーランス自体が
「フリー=だらしない」と忌避されても仕方ありません。
(まぁ、社会不適合者は自分含めて多いので、半分くらいは間違ってないですが…)
契約を切れたとしても、企業は損失を被っている
仮に1〜3ヶ月で契約を切れたとしても、その間も企業は報酬を払っているわけですし
他の新しい人を探すコストもかかりますし、開発スケジュールも遅れを取ります。
企業にとってはかなりの損失です。
その結果が、ルールがどんどん厳しく回帰しているとか、
フリーランスブームの揺り戻しで、やっぱり正社員がいいよね、となっているのでしょう。
ビジネスマナーが守れる人は
相対的に評価されやすい
一方で、普通に責務を果たしているフリーランスにとっては朗報と言って良いかはわかりませんが、
フリーランス界隈は、そういういい加減な人が多い分、
普通に働いているだけで前向きに評価されやすくなるのも事実です。
わたしも社会不適合な自覚はありますが、
こんな反骨心ある文章ばかり書いていても、人間的な常識やマナーは気にして守るように心がけています。
フリーランスの世界って、口約束になりやすい適当な業界。
だからこそ、私は自分自身を守る、安売りしないためにも
(まずは自分のために)丁寧さを厳守しているというだけなのですが、
ごく普通のビジネスマナーというか、人として失礼のないようにというのを守っているだけで、
稼働先の企業さんから「フリーランスっていい加減な人ばっかなのに、すごくしっかりしてて助かりますよ」と感激されたりします。
当初はお世辞かなとか、相当ひどい人もいるもんなんだなぁとビックリしましたが、
何年もフリーランスをしていると、なるほど、そう言われた真意がわかってきたというか
わりとガチなんだなと気付きつつあります。笑
ですので、「社会人としてごく普通のマナーを守っている人だけで無双できる」
と、フリーランス系インフルエンサーの方が発信しているのとか
応募要件に社会人経験○年以上と書いてあるのは、あながち大げさでもないかもです。
技術以前に、コミュニケーションや仕事を円滑に進められるフリーランスって
それだけ限られているということなのです。
当たり前だと思っている人にとっては「え、そんなことが??」と思いますが。
自分側の権利や自由を考える前に、
まずはフリーランスの自分とお付き合いしてくださる企業さん側の立場も考えたいものですね!
リモートワーク案件のみ!
案件探しはサクッと決めましょう。
フリーランスにとって、案件探しの手間暇もコストの一つ。
特に、リモートワークは人気のため
コネもなく自力で案件を探すのは至難の業です。
いざ登録したのに、リモート案件が全然ない、一部出社が必要な会社ばかり…ということも珍しくありません。
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